SEOについて考える際、重要となるキーワードは「検索エンジン」です。この検索エンジンの判定基準を理解できれば、どのようなサイトが上位に表示されるか、また、そのためのアプローチをする事が可能です。
そこで、今回のレポートでは検索エンジン市場において圧倒的シェアをほこるGoogleに焦点をあて考えていきます。
Googleは、無駄なバナー等を排したシンプルさや独自のキャッシュシステム等、検索エンジンとしての使いやすさを求めていますが、なんといっても「検索結果の的確さ」が大変評判です。
それを支えている技術の1つがページの重要度を判定する「PageRank(ページランク)」です。そこで今回のレポートではこの「PageRank」について考えていきます。
Googleが採用している「PageRank」の技術は
多くの良質なページからリンクされているページは、やはり良質なページである
という考えのもと決定しています。つまりリンクを投票とみなし、投票されたページには加点されます。つまり多くの票を獲得しているページそれだけ高得点となり、検索エンジンは重要なページだと判定するのです。
ですが、ここで注意しなければならない事があります。リンクが票代わりになるからといって闇雲に自サイトへのリンクを貼ってもらっても効率の良い結果とはなりません。張られているリンクの質と量が関係してくるからです。
あるページの 得点(PageRank)
を、そのページに存在する発リンク数で割った数が、それぞれの被リンク先への得点(PageRank)に加算されるためです。以下に簡単な表を示します。
サイト |
PageRank |
発リンク |
リンクを受けているサイトへの加点分 |
A |
100 |
50 |
2 |
B |
30 |
3 |
10 |
あるサイトAとBがあるとします。それぞれのサイトからリンクを貼ってもらった時の加点分は大きく違います。これが質と量から決定するPageRankの基本概念です。
サイトAのページはサイトBのページより重要だと判断されています。(PageRankより) ですが、それぞれのサイトが発しているリンクの数が違うため加点が変わってくるのです。
検索エンジンは「使える」情報から上位表示をしていきます。ユーザーの要求している目的に対して迅速に対応するためです。
Google登場以前の検索エンジンはPageRankの技術がなかったため、個々のページのページ内要因に頼った検索結果となっていました。ページ内要因とはページ内に登場する検索キーワードの回数や頻度、キーワードに付けられている強調タグなどです。
しかし、これでは、ページの管理者によって自由に操作する事が可能で、悪意を持った管理者は検索キーワードの羅列や出現回数を意図的に増やしたりすることにより評価をだまし、正しい検索結果を表示する事ができませんでした。
そこで、PageRankという技術を導入し、ページ内要因とページ外要因(リンクなど)の両方の面から検索結果を決定するようにしました。このようにページの重要性を2つの要因から見る事により、検索エンジンの精度を高める事ができたのです。
つまり、SEO対策を講じるためにはPageRankを高め、ページ外要因を充実させる事が必要になってきます。
しかし、ここで注意しなくてはならない事があります。PageRankが高まったからといって上位表示できるのかと言うと、そういう訳ではありません。先ほども述べましたが、検索結果はいくつかの要因が重なり合い、それぞれを総合的に判断して決定します。PageRankはその要因の1つとして捕らえとくほうが良いと思います。
Googleは私達のサイトに与えられているPageRankを数値化して評価しています。ですが、この数値がいくつなのかという詳細は分かりません。
ですが、Googleが提供しているGoogleツールバーを利用することにより、「10段階評価」での結果は知る事ができます。
このGoogleツールバーは無料でダウンロードできるのでぜひ利用してみてください。
Googleツールバーのサイト http://toolbar.google.com/intl/ja/
PageRankを上げるためには以下の事が必要となり、またそれぞれの関係が重要となります。
@:被リンク数
A:PageRankが高いページからのリンク
B:発リンク数が少ないページからのリンク
@は単純な意味合いでのリンクの事を指します。リンクは投票(得点)ですので、PageRankを高めるためには、まずリンクをしてもらう事が必要になります。
Aは重要なページからの発せられたリンクなので、そのリンク元も重要であると評価してもらえるからです。例えばみなさんご存知のYahoo!ですが、GoogleのPageRankは非常に高いです。このようなサイトからリンクしてもらえるということは自分のPageRankもグンと上がります。ですが、Yahoo!からリンクしてもらう(掲載してもらう)には充実したページである必要がありますし、ハードルはかなり高いです。
Bのように発リンクが少ないページからのリンクは、「選びぬかれたページ」「選りすぐりのページ」と判断され重要度も高まります。つまり、やたらめったらリンクを連発しているものより、吟味し選び抜いたもののほうが重要と認識するのです。
検索結果は多くの要因から決定されます。今回ご紹介したPageRankもその「1つの要因」でしかありません。
もしもPageRankのみで決定するのであればPageRankが高いページ(Yahoo!やGoogleなど)が常に上位に表示されなければおかしいです。
つまり、PageRankは絶対ではないのです。
SEOを考える上での1つの要因に過ぎないのです。しかしページ外要因(PageRankなどを含むページの外からの重要度)を怠っていては上位表示は難しいです。
よってPageRankはページ外要因の評価や、内と外の要因におけるバランスをはかる1つの指標として捕らえる事が大切だと思います。
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